つまり「あなたは四十肩ですね」という説明では、頭が痛い人に「あなたは頭痛ですね」と言っているのと同じで、ほぼ何の説明にもなっていません。
具体的には腱板というインナーマッスルに炎症が起こっている腱板炎、
力こぶの筋肉である上腕二頭筋の一部に炎症が起こっている上腕二頭筋長頭腱炎、
腱板疎部という肩の前方の膜や靭帯からなる部分に炎症が起こる腱板疎部炎があります。
これらのどこに炎症が起こっても肩関節周囲炎という病名で括られてしまいます。
さらに、狭い意味での典型的な四十肩・五十肩としては
癒着性肩関節包炎・肩峰下滑液包炎という病名があります。
関節包という肩関節を包む膜や潤滑液を入れた袋に炎症が起こり、最終的には癒着してぶ厚くなってしまう状態です。
この2つが肩の強い痛み、肩が挙がらない、回らない状態に至る典型的なケースです。
よく「肩こり」と混同されがちですが、肩こりは肩の筋肉が緊張しているだけで、四十肩・五十肩とは明らかに違ってきます。
痛みの原因は複雑で明らかでない部分のため、いろんなことをおっしゃる先生や治療家の方がおられます。
皆さんにご理解いただいておいてほしいのは、「原因は明らかではない」ということと、「肩甲骨の動きも関係している」ということです。
他にも手首が原因だとか、前腕の筋肉が原因だとか、いろいろな説を唱えられる方がおられるので困惑してしまうかもしれません。
四十肩で肩に起こっている炎症や癒着による拘縮などを改善すること自体が根本治療になります。
多くの四十肩はレントゲンでは異常がでません。
むしろ、レントゲンで異常がないことを根拠の1つとして四十肩の診断をすることが多いです。
それならレントゲンを撮る意味がないのでは?と思いますが、レントゲンにより見つかる異常もあります。
多いのは石灰沈着性腱板炎というもので、肩のインナーマッスルにカルシウムなどを成分とした石灰が沈着し、レントゲンでその石灰が写ることがあります。
典型的な症状は救急に行くぐらいの激痛か、慢性的に石灰部分がこすれるようなインピンジメント症候群という状態が続いてしまうことです。
激痛時は炎症を抑えるステロイドの注射が特効薬かのように効くことが多く、慢性的なインピンジメント症候群を起こしている場合には石灰に対する処置としての手術も選択肢に入ります。
他にも軟骨がすり減ってしまう変形性肩関節症や腱板断裂を疑う間接所見としての骨棘(骨が通常よりも出っ張っている部分)形成の有無などを判定していきます。
筋肉を包む筋膜に過剰にへばりついた異質なコラーゲン(クロスリンク)を剥がし取る施術です。
急性痛ではクロスリンクが大量に発生し、そこに溜まった老廃物が痛みを感じるセンサーを刺激します。
痛みの改善はもちろん、筋肉の癒着を剥がしたり毛細血管を新生させて、再発防止にも効果絶大です。
acute(=鋭い)と言う名の通り、原因に鋭くアプローチするストレッチ法です。
筋肉を一つずつ的確に狙ってストレッチを行い劇的に症状を改善します。
さらに他の手法では出来なかった「関節包」「靱帯」「皮膚」にまでストレッチをかけていき
終わった後、笑うしかない程の効果を出します。
人が感知できない一瞬のうちに最大480Vの高電圧の電気刺激をツインピーク波形で瞬間的に加えるハイボルテージ(高電圧電気刺激療法)は、皮膚インピーダンスの影響を受けにくく、電気刺激を深部組織まで到達させることができます。
そのため、痛みの軽減や血流量の増大、治癒促進などに利用され、肩・腰・膝や急性の痛み、スポーツ障害などに幅広く使用されています。